Wednesday, October 13, 2010

日経のノーベル経済学賞の解説記事

「ダイヤモンド教授が理論の基礎を作り、それをモルテンセン教授とピサリデス教授が労働市場に応用した」とある.本当か?

私の理解では,サーチ理論の一番最初はスティグラー(1982年にノーベル賞).今回受賞の三人の中で,もっとも初期から貢献しているのはMortensenのはずである.Diamondは,1970年代の終わりにMaskinと書いた一連の論文によって,この分野に参入し,80年代初めに書いたマクロ経済学へのインプリケーションについての一連の論文と,MIT Pressから出版したモノグラフで,この分野の第一人者とみなされるようになったと記憶している.

Tuesday, October 12, 2010

ザック・ジャパン第2弾: 日韓戦

本田・松井は,まあ特別良いというほどでもないがいつも通り.長谷部・長友は,このチームの汗かき役としてなくてはならない感じになってきた.

香川は,今日の試合に関しては少しボールに足がついていない感じ.内田は,攻撃の時は良いんだけど,守備に回った時に(特に長友との対比で)プレーが軽い感じが拭えない.

前田は普段を見てないので何とも言えないが,ポストプレーは他のFWよりは一枚上のような気がするが,点取り屋としてはちょっと物足りない.FWは結局,岡崎と前田でしばらく様子を見ることになるのだろうか?個人的には,森本はいくら待ってもブレークしないような気がしている.

遠藤・中村憲剛はオシム・岡田時代の中心選手ではあるが,二人とも今後の伸びしろがあるという年齢でないだけに,彼らに取って代わるような若手の台頭を期待したい.逆にCBの二人は,中澤がもう結構な年齢だし,このままスタメンに定着できるように頑張って欲しい.

Monday, October 11, 2010

ついでに言っておくと,

Fさんと我々の企業別・産業別の雇用のボラティリティの研究も,ある意味でサーチ理論とつながっているのだよ,K君.だから早く頑張って,DPを仕上げましょう.

今年のノーベル賞は

Peter Diamond 達に与えられた.

http://nobelprize.org/nobel_prizes/economics/laureates/2010/

公共経済学等で他にも膨大な業績があるにもかかわらずサーチ理論で一括りにされてしまうのは,ちょっとDiamondが過小評価になってしまうきらいはあるが,極めてオーソドックスかつ妥当な選考結果であると思う.他の二人については,Pissaridesは正直なところ評価できるだけの知見を持ち合わせていないが,Mortensenは極めて妥当だと思う.サーチ理論に限定するなら,三人の中でもMortensenの貢献が一番大きいだろう.

まあ,世界金融危機に始まった現実経済の混乱が一段落しない限りマクロ経済学者,特に財政金融政策関係の研究者(BarroとかJohn Taylorとか)がもらうのは難しいだろう.ファイナンスはそのさらに先.また,逆に行動経済学の研究者に与えるというのも,いまのこの状況では,政治的というのとはちょっと違うだろうが,ちょっとあざとい感じがして見送られたのかもしれない.