Tuesday, March 27, 2007

『ブッシュのホワイトハウス』

通勤の電車の中で『ブッシュのホワイトハウス』の上巻を読み終わる:
この世の中には,非常に賢いが,性格等の問題で決して組織のトップにはなれない人がいる.逆に,本人はさして優秀というわけではないが,育ちがよくて人好きがして,そのために友人・部下に恵まれて,リーダーとしては上手く機能する人もいる.ブッシュJrは,後者の素養を十分持っている人なのだろうと想像するが,しかし,まず副大統領としてチェィニーを選び,重要なポストの官僚として,よりによってラムズフェルドを選んでしまった.
 『ブッシュのホワイトハウス』の主人公は,ある意味,ブッシュよりも,前者の典型であるラムズフェルドである.Arrogant(傲慢,尊大)という単語は,この人を描写するためにあるのではないかと思うほど,明らかに人格に問題があるラムズフェルドが,かくも長きに渡って主要閣僚を務め,イラク戦争を牛耳ったことはブッシュ政権の決定的な失敗/敗北の要因といえよう.小泉政権以降,日本でもポリティカル・アポイントメントが盛んになってきたが,アメリカ流の人事制度が,時に致命的な失敗をもたらすということも確かなのである.

Monday, March 26, 2007

Happy Feet

早々に前売り券を購入済みの奥さんに付き合って,週末,ペンギンのアニメ映画を見に行く.細部にまで神経の行き届いたペンギンの描写と,アメリカのポップ・ミュージックの本歌取り(?)になっている挿入歌が素晴らしい.最初の3/4はこれまで見たアメリカのアニメ映画の中でも,ベストといっても良いほどの出来.ただ最後の1/4で,主人公のペンギンが,魚が減少している原因を突きとめるために南極を離れてから話が迷走し始め,最後は大風呂敷を広げておいて,結局,無理矢理たたもうとして尻すぼみに終わるといという典型的な展開になってしまった.
 環境問題にコンシャスなのは良いことなのだろうけど,やはり前提として,1つの映画として完成度が高くないとしょうがない.アル・ゴアの「不都合な真実」の(数少ない)悪影響か?