Saturday, December 28, 2013

『政治の代償』

昨日で大学の行政の仕事は一段落したので、年賀状を書きつつ、しばらく前に買ってあったボブ・ウッドワードの「政治の代償 The Price of Politics」を1/3くらい読む。内容としては、いわゆる「財政の壁」問題を巡るオバマ大統領と野党共和党の間の、うんざりするような抗争(?)のドキュメンタリーである。まあ、おおよそのことは想像がついていたのだが、やはりオバマはそういう人で、オバマ政権というのはそういう根本的な問題を抱えていたのね、というのがよく分かる。清廉潔白で賢く、理想は高いが、頑固で人の言うことを聞かない人(オバマ)と、女たらしだが、同時に人たらしで政治的交渉・韜晦に長けた人(クリントン)、どちらが政治的リーダーとして有能かと言うと、経済問題が最大の政治問題であるような状況ではやはり後者だろう。(無論、オバマが黒人として初めて大統領になったことの歴史的意義は極めて大きいと思うが。)

なお、もう少し分析的な視点から、民主党vs共和党の政治経済学と米国政治の機能不全の問題について知りたいという方は、It's Even Worse Than It Look by Thomas E. Mann and Norman J. Ornsteinという本が優れています。