Tuesday, October 13, 2015

Angus Deaton receives Nobel Prize in economics

と言う訳で、今年のノーベル賞はAngus Deaton。
消費で括るならRobert Hallと一緒でも、不平等の経済分析で括るならAtkinsonと一緒でも良かったと思うけど、逆に言うと守備範囲の広い大物なので、非常に納得できる人選・授賞だと思います。

彼は学術論文・学術書を書くにあたって、非常にeffectiveな文章を書く人だと思う。Understanding Consumptionという本は、出版されたのがアメリカの大学院で勉強を始めた直後だったので良く読んだ。白状すると、最近になって自分の論文で題名をパクったことがあります:"Understanding the decline in Japan's saving rate in the new millennium" Japan and the World Economy (2012)

Hillary Clinton on TPP

ヒラリーがTPPに関して"As of today, I am not in favor of ..."と発言した事を受けて、FTや日経までが彼女を大々的に批判し始めた。いやみなさん、真に受けるんですか? 言い回しからして、後で発言を修整する気満々なことがミエミエじゃないですか。と、思っていたらMankiwが(彼はRepublicanなので相当辛口だが)まさに私の思っていた通りの事をブログで書いていた。以下は、核心部分についての私の超訳:

「ではクリントンを支持しているエコノミスト達は、彼女に対する支持を撤回し始めるのだろうか?それは疑わしい。私の推測では、彼らのほとんどは、彼女の現在の発言を信じていないだろう。彼らは、彼女がいったんホワイトハウスに戻ったら、彼女の夫がまさにそうであったような貿易協定に対して中庸な態度に戻ると予想している。言い換えれば彼らは、彼女の発言が信用できないでことを計算に入れている。」

無論この議論の前提には、ほぼ100%のエコノミストが自由貿易を、したがってTPPを指示していると言う背景がある。

まあ個人的には、共和党は歴史的に自由貿易擁護の立場であるにも関わらず、その大統領候補指名レースのトップランナーであるDonald Trumpが、真っ向からTPPを否定していることの方が、よっぽど懸念を抱かせると思う。