Thursday, December 01, 2011

大阪W選挙

府知事選はともかく,市長選は絶対に橋本が勝つと思っていたのだが,実際そうなった.というか,この選挙で平松市長が勝つなんて,平松氏本人ですら思っていなかったのではないだろうか? 民主党にしたところで,大阪府・大阪市の労組の手前,橋本に肩入れする訳にはいかなかっただけで,今回の選挙結果が必ずしも民主に不利に働くとばかりは限らない.

東国原氏が宮崎県知事になった時もそうだが,今回の選挙の本当の争点は「中央vs地方」とか「既成政党vs草の根」とかいった話ではなく,大阪都構想でも橋本氏の政治手法でもない.本質的な問題は,大阪という地域における地方自治体の行政のあり方そのものであり,地方の首長や地方公務員が選挙民が納得するような仕事をできているかに尽きる.そして大阪ではできていなかったからこそ,荒療治をすることを公言した橋本が勝っただけの話である.

(東京以外の)道府県知事と呼ばれる人達の多くが,地方分権を掲げることで自分の立場を正当化しようとするが,選挙民の多くが東京一極集中に不満を持つ一方で,地方自治体の行政サービスにも強い不満・不信感を持っているのは明らかである.別の言い方をすれば,知事たちは選挙民の不満を永田町・霞ヶ関に向けさせることで,地方自治体・地方公務員改革を回避し,自分の役所で働く人々と対峙して彼らの既得権益にメスを入れることを避けようとしている訳であるが,そんなことが分からないほど選挙民も阿呆ではない.個々の政治手法にいろいろ問題があったにせよ,阿久根市で竹原市が市長に選ばれたのも,田中康夫が長野県知事になったのも,根っこの部分では同じ理由である.

しかし,「ハシズム」だとか何とか言って騒いでいる一部のマスコミや評論家の先生達は,そんなことも分からないほど阿呆のようだ.