Wednesday, June 20, 2012

ユーロ2012:ベスト8展望

* チェコ vs ポルトガル:チェコの試合をそんなに懸命に見てないので何とも言えないが,チームとしての地力を考えると6:4でポルトガル有利か.

* ドイツ vs ギリシャ:ユーロ危機における両国の立場を考えると,なんとも因果な組み合わせになった.しかし,ここはよほどのことがない限りドイツが鉄板.10:0でドイツ.

* スペイン vs フランス:スペインはとにかくイニエスタとシルバが素晴らしい.その二人にシャビを加えた三人のうち一人が駄目になっても,バックアップがセスクなので心配なし.フランスの負けた試合を見てないので,フランスの状態の判断が難しいが,7:3か8:2でスペイン.

* イングランド vs イタリア:普通に考えると7:3くらいでイタリアだが,キエッリーニがアウトなら6:4くらいかもしれない.両チームともドイツ・スペインに比べると選手層が薄いので,イタリアはピルロ,デロッシ,キエッリーニ,イングランドはジェラード,ルーニー,テリーといったあたりが怪我をすると,途端に厳しくなる.

Monday, June 18, 2012

もうひとつのユーロ:ここまでの総括

単純に経済学的な問題としては,ギリシャはさほど重要ではない.経済の大きさからみれば,救済するもしないもEU主要国の胸三寸で,どちらに転んでもEU全体に対するダメージにはさほど変わりはない.しかし,もともとギリシャ問題は政治経済学の問題であって,そちらの視点からみるとギリシャの政局とユーロ離脱・残留は,極めて大きな潜在的影響力を持つ.

EU主要国,すなわち独仏にとって最も好ましいシナリオは,ギリシャ国民がこれまでの行状を心の底から悔い改め,平身低頭してユーロ残留を懇願してくるので,極めて苛烈な緊縮政策を条件に「しぶしぶ」救済するというものである.中途半端にギリシャを救済してしまったり,逆にギリシャがユーロを離脱してしまったりすると,経済的に見た問題の核心であるスペインやイタリア・フランスの銀行の救済・再建に税金をつぎ込むことに対する自国の有権者の反応が,極めて厳しいものになるだろう.その意味で,ギリシャのユーロ離脱・残留のチキンゲームはまだまだ続く.

表面上の問題の焦点は次第にEU主要国の民間銀行の救済・再建問題に移りつつあり,ギリシャ問題の持つ意味は薄れつつあるが,それでもギリシャ問題はユーロ圏の今後の行く末に,長きに渡って影を落とし続けるだろう.それはユーロ通貨圏成立のそもそもの理由が,経済的理由よりは政治的理由にずっと強く根差したものだからである.

ユーロ2012:ここまでの総括

A組は1位ロシア,2位ポーランドだと思っていたが,チェコとギリシャ.やっぱりカラグニスみたいな選手はしぶといねえ.

B組のオランダは,まあしょうがない.南アフリカW杯がピークで,そこからの積み上げがほとんどない状態では,デンマーク相手に星を落とした時点で敗退が決まったようなものだった.幾ら攻撃陣が豪華でも,最終ラインを除くとデヨング以外に守備をする選手のいない布陣では,高速カウンターでクリロナの餌食になるのは時間の問題だった.センターバックが日本と大して変わらないレベルなうえに,ファンボメルも衰えてきているんだから,DFと守備的MFに新しい人材が出てこないと,当面のあいだオレンジ軍団復活はないだろう.

今夜のスペインの一位通過はドイツ以上に堅いだろう.2位抜けは,6対4でイタリアの可能性が高いとみる.クロアチアは運よく予選を勝ち抜けたとしても,次がフランスの可能性が高いのでそれ以上に進むのは難しい.