Wednesday, October 16, 2013

2013年ノーベル経済学賞: Fama, Hansen, Shiller

NYの証券会社にいるHarvard時代の同級生から、What do you think of the Nobel Prize in economics this year?というメールがあったので、それへの答え:

1. 三人ともノーベル賞に値すると思う。

2. しかしながら今回の賞の与え方は、大陸ヨーロッパの連中の、経済学とファイナンス業界における米国支配に対する、深遠な陰謀(?)という気がしなくもない。ノーベル賞委員会は、どこかの時点でFamaとHansenにあげなければならないとは思っていたのだろうが、同時に彼らが新古典派ファイナンスとハイテク数量ファイナンスが嫌いなことは容易に想像できる。(彼らは過去にもPrescottをKydlandと共同受賞にし、しかも受賞理由ではrules vs discretionの研究に焦点をあてることで、かなり意図的にRBCを軽視するように仕向けたと思う)。
 Shillerは確かに尊敬するけれど、他の2人の功績がShiller以下ということは決してない。しかしこの3人を並べてしまえば、一番分かりやすいのはShillerなので、メディアのスポットライトは彼に集中するだろう。それによって、一般の人々がFamaとHansenの業績の重要性を軽視する/理解する機会を逸するようなことになれば、非常に嘆かわしいことだ。しかし実際、日本での報道のされ方はそうなりつつある気がする。

もし私が勝手に選ぶことができたのであれば、Short listは以下のようになる:

1. Gene Fama and Steve Ross (perhaps add Mike Jensen) for their contributions in neoclassical finance.

2/3. Lars Hansen for his contributions to econometric methodology and financial econometrics.

2/3. Doug Diamond for his contributions in economics of banking.

4/5. Bob Shiller and Richard Thaler for their contributions in behavioral economics and behavioral finance.

4/5. Sanford Grossman and Pete Kyle for their contributions in analyses of financial markets with asymmetric information and market microstructure.

* もし一つの業績に対して与えられるという、自然科学の賞の与え方を踏襲するなら、Harrison and Krepsも含めるべきだろう。
* Duffie, Campbell, Shleiferといった人々は、あと10年・15年待っても良いだろう。