Tuesday, November 06, 2012

Obama vs Romney: an implication for Japan

まあこれでも,いちおうアメリカ経済の専門家ということになっているので:

報道では過激に聞こえるかもしれないが,ロムニーの経済政策にさほど大きな懸念は抱いていない.いま何を言っていても,実際に大統領になってしまえば,そこまで極端なことはできない.彼のアドバイザーになるのはHubbardやMankiwであって,Prescottではない.

一方,この大統領選挙の中期的に見た重要なインプリケーションの一つは,米国の中東政策の今後の有り方であり,直接的にはイランの原発・核兵器開発問題とそれに対するイスラエルの反応である.オバマ大統領=クリントン国務長官という組み合わせは,反ユダヤ的だとはまったく思わないが,少なくともイスラエルのタカ派に対しては最も抑止的(?)な組み合わせだったことは間違いない。これがロムニーになると,中東でドンパチが始まる可能性は途端に高くなる。たとえオバマが再選されたとしても,恐らくヒラリーと財務長官のガイトナー(こちらは9割9分確実)はほぼ間違いなく交代するので,国務長官の後釜が誰になるにせよイスラエルのタカ派に対する抑止力はオバマの1期目より減退するだろう。

だとすれば,長期的な脱原発路線は避けられないにせよ,我が国が短期的に急激に化石燃料への依存を強めるのは危険だと思うのだが...。