Tuesday, November 11, 2014

黒田バズーカ#2:その2

ついでにNYの証券会社にいる友人(フランス人)に「Kuroda Bazooka#2」は,Wall streetでどういう受け取られ方をしているんだとメールしたら,Let me look into itと言ってからしばらくして「みんなあんまり関心ない」という答えが返ってきた。彼らの大半は中間選挙の行方に気を取られていて,ドル高(円安ではない)の進行は,QEからの脱出と米国景気の相対的な好調さの自然な反映だという認識らしい。要するに日本で騒いでいるほど,海外では円安に関心を持たれている訳ではないってことですね。確かに他の通貨の対ドルレートを見ると,円安というよりドル高だしね。

黒田バズーカ#2と実質実効為替レート

定期健診の際に打った麻酔が効きすぎてまったく仕事にならなかったので,先週の金曜の午後,家でグテグテしながら直近の円安進行後の実質実効為替レートの水準を計算してみた。かなり大雑把な計算だが,とりあえず9月時点での実質実効レートに,その後の名目の円ドルレートの変化率をぶっかけるとこのグラフのようになる。黒田バズーカ#2直前の実質実効レートは,ほぼプラザ合意直前およびリーマン直前の水準で,バズーカ発射後は1982,83年頃のFrankelがdazzling dollarと呼んだ超ドル高の水準くらいである。これを見ると,国内インフレ率に大きな変化がない限り,短期的には118円くらいまでは行くかもしれないが,120円以上の超円安が発生するとはあまり思えない。