Saturday, October 03, 2009

2016年オリンピックはリオデジャネイロ

オリンピックとは世界のスポーツの祭典という表の顔の下に,ヨーロッパの一部の貴族達が新世界から富を吸い上げるための装置という裏の顔を持っている.国の活力や経済力としては,もはや見るべきものも無い老人である大陸ヨーロッパのアッパークラスが,文化と歴史を背景にした修辞を駆使した巧妙な手口(外交力とも言う)で,米国を含めた他の大陸の国々に対して,オリンピックの開催を「認めてやる」という優越的立場を保持している.(ノーベル経済学賞にも似たようなところがある.)しかも免許を頂くためには,下々は付け届けをしなければいけないという,日本古来のお稽古事のような世界である.
 世界金融危機でトバッチリを受けたヨーロッパの上流階級が,米国にいい顔をするわけなどもなく,シカゴは最初に落選.かつてのカモだった日本には昔日の面影は無く切り捨て.身内のマドリッドも,身内だけに経済が火の車という実情は良く分かっているはず.だとすれば,運営が上手く行くかどうか不安はつきまとうが,今が旬のブラジルを選ぶのはごく自然な成り行きだろう.
 サマランチほどあからさまでないにせよ,ロゲにしたところで同じこと.祖父の代から同じテーラーでスーツを仕立て,腕にはパテックを巻いたヴァンパイアどもである.彼自身らは何を生み出しているだけではなく,オリンピックという巧妙な寄生装置を使って,富と名声保ち続けているだけである.実際のオリンピックを見るのが楽しいことを認めないほどヤボでもないが,五輪開催地決定のプロセスは,毎度のことながら鼻白むニュースである.

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