Tuesday, February 04, 2014
「STAP細胞」を巡る,「一部」の報道への違和感
「リケジョ」についてはわかりませんが,ここら辺の報道の仕方について
* リケジョ、小保方さんに続け ピンクの研究着に夢こめて
* キスでお目覚め「お姫様細胞」 小保方さん、幻の命名案
アカデミックな研究者という同業者としての違和感を書きます。
名前は忘れたが古株のサッカー・ジャーナリストが,日本代表の記者会見で「稲本くん」と呼びかけた若手記者に対し,「ちゃんと『稲本選手』と呼べ」と注意したという話を読んだことがあります。無暗に選手との仲の良さを強調したがる,あの『やっべちFC』の司会者でさえ,番組の中の最初の呼びかけでは,男女とも「香川選手」「川澄選手」と声をかけるのが普通です。
ここでの報道の対象は、早稲田大学で博士号を取得していて,理研という国内の大半の大学を凌ぐ研究実績・研究環境を誇る研究所に属している研究者です。若かろうが女性だろうが,iPS細胞の山中教授と同じく立派なその道のプロです。したがって彼女の研究・仕事について報道するにあたり,「ユニットリーダー」という職名が長過ぎるのなら,小保方「博士」か「研究員」であって,やはり小保方「さん」はないでしょう。アカデミックな研究という世界での常識をある程度分かっている人間なら,やはりそこに,ある種の先入観・目論見が潜んでいると感じない方がおかしい。呼び方という,一番基本的なところで大きな違和感があるので,結局,その他の報道全体に違和感を感じざるを得なくなってしまいます。
また,この件に関する日経の報道は一貫して極めて穏当なものであるので,日本の報道機関全体の問題だとも思いません。日本の大手新聞の一部に,この種のことに極めてニブイ,残念な方たちがいるというのが実際のところだと思います。
PS. なお2002年にノーベル化学賞を受賞した田中耕一さんは,東北大の学部卒で,その後,母校から名誉博士号を授与されたが,ノーベル賞受賞時も現在もあくまで普通の民間企業の会社員。だから「さん」か「氏」で良いし,そうとしか呼びようがない。
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