以前,見たような気はしていたのだが,今週の月曜日にまとめて再放送をやっていたので,妻と一緒に全部見た.
結論から言うと,「うーん違うんじゃない」という感じ.確かに表面上は「ワーキングプア」という言葉でくくれるにしても,経済学的に明らかに異なる原因を持つ問題の結果だけ捉えて,「格差が広がっている」,「格差を是正せよ」というトーンでまとめるのはどうかと思う.あの番組が「ワーキングプア」と総称していたものの中には,少なくとも,
1.大都市と地方の格差の広がり
(というか地方都市の衰退)
2.25年勤続しないと支払われない年金制度の問題
3.グローバリゼーションによる特定の産業の衰退
4.大都市における家族・地域共同体
といった複数の,明らかに本質的に原因が異なる問題が含まれている.
それぞれについて言いたいことはあるが,とりあえず1と3に関して言えば,小泉政権以前の自民党は,夕張市の現状に象徴されるように,地方や衰退産業を頑なに保護しようとし続けて,し続けて,結局,日本全体の政治経済システムを疲弊させてしまった.小泉改革は性急だったかもしれないが,逆にいえば,もっと以前にやっておくべきだった改革を詰め込んで,一つの政権でやったからそうなってしまったということ.別に小泉は好きではないが,かと言って時計を反転させましょうというのは,OLD LEFTのアナクロニズムもいいところだと思う.
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