Friday, March 21, 2008

「空白の日銀総裁人事.44年ぶりの民間人総裁あるか ?」

適性ということで言えば,FRBの議長と違って,日銀総裁のポストをこなせる人間は,現時点では日銀か財務省の出身者以外は考えにくい.その最大の理由は,日銀総裁の職分に深く関係するこの二つの組織が,揃って内部の生え抜きを重視・重用する強い傾向があることである.別な言い方をすれば,他に優秀な人材がいないわけではなく,日銀総裁になるために必要な経験を積めるポストを,この二つの組織が事実上独占している(少なくともFRBと比較した場合)というだけのことである.
 だとすれば,この際,多少ギクシャクしても,日銀総裁には敢えて民間人を起用してしまった方がいいのかもしれない.もっと言えば日銀・財務省とも,もっと下のレベルで,アメリカばりに,民間やアカデミックからの中途採用やポリティカル・アポイントメントを増やすべきだろう.確かにかつては日銀・財務省は日本の超エリート集団だったし,40前後の私の年代くらいまでは,まだそう言えるかも知れない.しかし今の30代半ばくらいを境に,日銀も財務省も霞ヶ関全体も,同年代の本当に優秀な人材を惹きつけることができなくなってしまっているのは明白である.今から20年後の日本の「官」の在り方を考えるならば,30代・40代の優秀な人材を外部から積極的に採ることを,これらの組織は本当にもっと真剣に考えるべきである.

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