Sunday, August 12, 2012

メダルと国の発展段階

日本の金メダルは女子ばかりと言っていたら,男子ボクシングが金メダルを取ってくれた.バンニャイ.

ところでメダルの数は金・銀は同じはずで,銅は柔道やレスリングのような敗者復活戦のある競技があるので,それよりは若干多くなる.日本は金6,銀14,銅17で,メダル総数で今日時点で第6位.ちなみに第5位は金11,銀19,銅14のドイツで,第7位は7,16,12の豪州である.

開催競技の選択そのものに大きな影響力を持つアメリカ,自国開催の英国を除くと,日独豪と対象的なのが中国・韓国で,特に韓国のメダル獲得は13,7,7と金に大きく偏っている.これは国威発揚のために産業政策的にスポーツ振興策に政府が介入するキャッチアップ段階の国と,民間の裁量に任せる部分の大きい成熟国の違いだろう.独について言うと,冷戦時代の特に東独は前者の色彩が強かったけれど,今ではスポーツ振興策も民間がメインであり,結果としてメダル獲得数の状況も日本と大して変わらなくなってきていると推測される.

もし日本がもっと金メダル数を増やしたいのなら,政府が積極的に予算を傾斜配分すればよいはずだが,もはや競技をやる選手の側の状況がそれを許さないだろう.今後のオリンピックでも,ありとあらゆる種目に日本人がエントリーし,しかしメダルを取れる人間は相対的に少ないという状況が続いて行くのではないか.人々は自分がどうしても好きな競技をやり,結果としてその延長線上にメダルがあれば良いのであると考える.エコノミークラスでロンドンに行き,ビジネスで帰ってくる,なでしこJAPANの選手達がその一番良い例である.日本選手がメダルが取れなくても,日本のマラソン人口が減ることはないだろう.そして国が成熟していく中で,それ自体は間違った方向性であるとは思わない.

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