Wednesday, August 22, 2012

京大元教授、250万円収賄容疑で再逮捕 東京地検

この事件は,ずっと気になっていたのだが,大手メディアの報道はかなり一面的だ.要するに「有名教授が賄賂受けとって私腹を肥やして」というストーリーだが,国立大学に所属する人間の立場からは「本当にそれだけ?」という感じである.こんな花型分野の花形教授なら金を稼ぐ手段は他に幾らでもあるだろうに,いまどきそんな危ない橋を渡る必要があるのかねえ?

当初考えた可能性は,理系で大型研究をやるにあたってどうしても直ぐに動かせる手元資金が必要で,その捻出のために無理をして,内部告発で足元を掬われてという筋書きである.だとすれば,大型研究プロジェクトの運営に多少とも関わったことがあり,公的な機関からの研究費の使いにくさは身に沁みているいる立場では,多少同情の余地があるかなと思っていた.しかしネットで情報を探っていくとすぐに,贈賄側の「メド城取」という会社が昨年10月に民事再生法を申請(負債は12億円とも15億円とも)しているということがわかる.しかも多額の使途不明金があって国税が入っているとの報道も.

つまり問題が明るみに出たのは贈賄側に関する疑惑からであり,だとすればこの件はもっと根の深い経済犯罪である可能性,また(合法か非合法かはさておき)他大学を含むもっと多数の大学関係者が同じ会社から便益を受けていた可能性がある.まあ数百万の贈収賄だけの話でないことは確かである.にも関わらず「堕ちた京大教授」という,古典的な勧善懲悪ストーリーで良しとしてしまっているマスコミさん達ってどうなのよ?というのが,現時点での小生の感想だ.

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