日経もThe EconomistもFTもアメリカ金融危機の記事一色で,今度は日本の金融機関によるGSやモルスタへの「救済」について報道している.しかし日本の金融機関はリーマンを丸ごと買ったところで,リーマンから人的資本が逃げ出してしまえば何も残らなかっただろう.実際,野村も三菱UFJも,丸ごと買って上手くコントロールとできると思うほど傲慢でも,アホでもなかったということ.なので今回もGSらに対しては,所詮,貸しを作るための「援助」であって,「救済」にはならない.
個人的には今回の金融危機の行く末に対して(特に日本への影響については)さほど悲観的ではないが,問題は他の重要マーケットの動向がどう動くかだ.石油市場を中心とした商品市場,ユーロ圏の経済・通貨,中国経済の動向...もう2年位前から,これらの市場はいずれ大幅にスローダウンせざるを得ないことは分かっていた.ただ,現時点でこれらの市場で(特に石油価格)大幅な下落・減速が起こると,資産市場間の負のスパイラルが一気に加速して,アメリカ政府・FRBの金融危機への対応は極めて困難になるだろう.他の市場が上手くスローダウンしてくれれば政策当局の対策は間に合うだろうが,いずれは落ちるのだから,政策当局にとっては時間との競争であることも確かである,
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