2月のNY出張の際,頼んでコンファレンスの討論者をやってもらったNYUに居るHarvard時代の同級生と,なぜか日本のファッションの話で盛り上がった。彼と奥さんにつれて行ってもらったOdinというセレクト・ショップでも,結構,日本の若いデザイナーのブランドがあったし。それから「Free & Easy」なんていう,いわゆるアメカジに特化した日本の男性ファッション誌を,アメリカの業界関係者がNYの紀伊国屋で盛んに購入していて,自分たちの商売のネタにしているなんている話は,あちらのオシャレに興味のある大学教授といったレベルの人間にもちゃんと認識されているようです。
そういう意味では,日本の男性ファッション誌のマニアックさは凄いし,世界的に見ても最先端を行っていると思うんだけど(ライバルはイタリアのみ),逆にファッション以外の話になると途端にグダグダ。スポーツやアート・音楽の領域なら,まだなんとか格好がついているんだけど,政治や経済・社会問題の話になると,もう編集者が全く何も分かっていないしセンスがないのが見えみえ。そういう意味では良くも悪くも,あちらのEsquireやGQに匹敵するような男性誌は日本にはない。
いまの40代・50代であれば,そこそこオシャレに興味もあって,一般向けにちゃんとしたことを言ったり書いたりできるまともな学者も結構いるはずなんだけど,いまだに石原慎太郎・村上龍・高橋源一郎とかその辺でお茶を濁しているというのは,明らかに編集者側にそういう分野を開拓しようという意欲がないっていうこととしか思えない。坂本龍一の善意は疑わないけれど,原発反対でなおかつ積極的にCO2を削減していくと,今の科学では経済成長を停めるしかない。だけど,そういう矛盾をちゃんと指摘して話題にするだけの力量は,今の日本の男性誌には無い。
まあそれは雑誌に限ったことではなくて,お笑いもそう。日本のお笑い芸人は本当にレベルが高いと思うけれど,とにかくマニアックでお笑いオンリー。政治・社会問題というのは,たけしが若干やるのを除けば,特に若手はまったくやろうという意識がない。
まあ嫌いじゃないんですけどね。ガリガリガリクソンとか。
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