Monday, August 06, 2012

オリンピック前半総括(続き)

逆に日本にとって先行きがあまり明るくないのが,(特に男子の)柔道とマラソンだろう.柔道は「茹でガエル」問題の典型で,昔の遺産で食いつないでいるうちに,気がつけば取り返しの使いない,深い深い泥沼に落ち込んでしまった.選手がどうこうというより,「JUDO」時代の「柔道」がどうあるべきかをちゃんと考えることのできる指導者が出てこないと,どうにもならないだろう.

マラソンは,この10年ほどの間の競技そのものの在り方の進化が凄まじかったので,問題は日本だけにとってのものではないのかもしれない.女子は確かにまだラドクリフが世界記録を持っているが,男子の状況を見るとそれもいずれ破られ,ケニヤ・エチオピアを筆頭とするアフリカ勢力が圧倒的に支配する競技になっていくのは避けられないような気がする.特定の人種が支配的なスポーツはあまり五輪向けと言えないはずだが,欧米諸国の代表チームに必ず一人は帰化中国人がいる卓球の状況を見ると,それも致し方ないのかなという気はする.
 しかしその一方で,正月の箱根駅伝だけで国内の「伝説」になれてしまう,生温い日本の競技環境もやはり問題だろう.

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