研究室の掃除をしていたら10年前に買った漫画が出てきたので,帰りの電車の中で読み返す.確か2003年に在外研究でNYに行った時に,何冊か岡崎京子の漫画を試しに買って向こうで読んだ覚えがあるのだが,結局どれもピンとこなかった.多分,PINKが一番面白くて,リバーズ・エッジとヘルタースケルターはダメだった.
ヘルタースケルターは,ストーリーテリングに長けた他の漫画家なら半分以下の長さで始末をつけられるはずの内容である.個人的には,岡崎京子は「雰囲気」の漫画家だと思っている.私が東京にほとんどいなかったバブル崩壊の前後から1990年代末にかけての,東京のサブカルに思い入れがある人の中には,この「雰囲気」が好きな人がいるのだろうと想像する.そういうスタイルやジャンルを否定はしないが,リバーズ・エッジやヘルタースケルターでは,作者が雰囲気ではなくストーリーの方に大きなウェイトを置いていて,その割にストーリー自体も,その語り口も凡庸なので,彼女の漫画の「雰囲気」に思い入れがない人間からすると,作品としては残念なことになっている.
映画も見に行く気が起きない.そもそもお盆休みは,まず「裏切りのサーカス」と「ダークナイト・ライゼズ」を見なきゃならないので,それでお腹いっぱいだろう.
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