Tuesday, September 23, 2008

あらびき団

個人的には,明日は大学での雑務において,年間で一番忙しい大変な日である.そのことはさておき明日は水曜であり,『レッドカーペット』と『あらびき団』を見られる水曜の深夜は,引き続き私にとって至福の時間であることも確かである.最近のお気に入りは,ガリガリガリクソンとアイヒマン・スタンダード.特にガリガリガリクソン,とてもゴールデンではお目にかかれない,エッジの立った至芸である.

アメリカ発金融危機

 日経もThe EconomistもFTもアメリカ金融危機の記事一色で,今度は日本の金融機関によるGSやモルスタへの「救済」について報道している.しかし日本の金融機関はリーマンを丸ごと買ったところで,リーマンから人的資本が逃げ出してしまえば何も残らなかっただろう.実際,野村も三菱UFJも,丸ごと買って上手くコントロールとできると思うほど傲慢でも,アホでもなかったということ.なので今回もGSらに対しては,所詮,貸しを作るための「援助」であって,「救済」にはならない.
 個人的には今回の金融危機の行く末に対して(特に日本への影響については)さほど悲観的ではないが,問題は他の重要マーケットの動向がどう動くかだ.石油市場を中心とした商品市場,ユーロ圏の経済・通貨,中国経済の動向...もう2年位前から,これらの市場はいずれ大幅にスローダウンせざるを得ないことは分かっていた.ただ,現時点でこれらの市場で(特に石油価格)大幅な下落・減速が起こると,資産市場間の負のスパイラルが一気に加速して,アメリカ政府・FRBの金融危機への対応は極めて困難になるだろう.他の市場が上手くスローダウンしてくれれば政策当局の対策は間に合うだろうが,いずれは落ちるのだから,政策当局にとっては時間との競争であることも確かである,

Sunday, September 21, 2008

リーマン破綻(続き)

しかし,今回の一件を通して見えてきたことは,結局ブッシュ政権で本当の意味で経済を任せられるのがポールソン一人であったということである.あるいはGlenn Hubbardが何らかの形で政権に残っていたら,もうちょっと助けになったかもしれないが.
 ポールソンも,クリントン時代のルービンもGS出身だから,その意味ではGS恐るべしというべきか.ここにきて,案の定,オバマとマケインの差は無くなってデッドヒートの様相を示している.もしオバマが大統領になったら,CEA委員長はシカゴ・ビジネス・スクールのAustan Goolsbeeだと言われている.しかし彼は応用ミクロの専門家だから,金融のややこしい話がたいして分かっているとは思えない.すると結局,ルービン=サマーズのクリントン政権時代の実力者達に頼らざるを得なくなってしまうのではないかという気がする.マケインがなった場合,経済の舵取りは誰がするのだろう? マケイン・オバマとも,人間的にはブッシュよりはるかに信用できそうであるが,経済に明るいタイプではないので,誰が政権の経済のブレインになるのかは,今後の世界経済の動向にとって極めて重要である.

リーマン破綻

あれよあれよという間に,海の向こうはエライことになってしまっている.リーマンはアメリカ時代のクラスメートが(ヨーロッパだが)勤めていたり,そこそこ有名な学者で転職した人もいたりするので,さすがにかなり気になる.ただ昨年の今頃の時点で,相当な勢いで人減らしをしていたことも確かなので,まあ今になって見れば驚くほどのことではないのかもしれない.

しかしいつものことながら,日本のマスコミの対応にはゲンナリさせられる.日経=テレビ東京系はだいぶマシだが,ここぞとばかりに電波を発信したり,いつもはその道のプロのふりをしているが実は無知なことをさらけ出しているコメンテーターの皆さん相手に,これもまた何もわかっていないキャスターが頷いているという毎度の絵面がテレビで繰り広げられている.もう今更何も期待しないが... 妻に「ちゃんとした経済学者が発言しないのがいけない」と叱られたが,学問もちゃんとしているが,時事ネタを全部フォローしていて,その場その場で上手くコメントできる学者なんて2~3人しかいないからねえ.

Friday, September 05, 2008

自民党総裁選報道

麻生と与謝野以外の候補者全員は,真剣な経済政策論議をしようと見せかけてはいるが,詰まる所,清冽さ斬新さを有権者にアピールして,自分と自民党の選挙を有利に進めようとしているだけである.麻生は,自分があまり深いことを考えない「カリスマ=雰囲気」の人であることを公言しており,与謝野は一番まともだが,逆に言えばそれだけが長所のおよそ選挙向きではない人材であることは明白である.
 以上のことを,国民の何割かは多かれ少なかれ正しく理解している.なのにマスコミは,経済政策に関する対立が総裁選の軸であるかのように報道し,ありもしない座標軸に,この人はここ,この人はあそこと,候補者をあてはめてみただけの中身の無い解説を垂れ流して,読者・視聴者を啓蒙した気になっている.その意味では,政治と国民意識の乖離より,マスコミ報道と国民の理解の乖離の方がよほど深刻である.

Thursday, September 04, 2008

福田辞任

前回の阿部のときに比べれば,まったくと言っていいほど驚きはない.福田康夫という政治家の性格というか資質を,ある程度注意深く観察してきた人間なら,極めて納得の行く行動である.だからと言って,その行動を肯定できるというものでもないが.

しかし,自民党以上に際立って酷い体たらくなのはマスコミである.期待通りのことを言ってくれそうな,能天気なおじさん・おばさんを街頭で掴まえて,そのインタビューを国民の声と称し,「無責任」「放り出し」とか言ったキーワードにこじつけておけば,批判の役割を果たしたことになるのか? さらに重症なのは,いろんな新聞・テレビが次期総裁候補の政策的立場を座標軸で分類して見せるのだが,全部どうしようもなく的外れ.政治家なんて,もともとたいして経済が分かって発言している訳ではないのに,それをまた同じように経済音痴の記者が言葉尻だけを捉えて報道しているものだから,訳が分からなくなっている.
 大半の総裁候補の経済政策論が,実現不可能だったり,論理的に破綻して実質上何も言っていないのに等しいのに,「真剣な政策論議」もへったくれもないだろう.国民の何割かは間違いなくそのことを認識しているはずなのに,それをちゃんと指摘する報道は皆無.上っ面だけの報道を行っているマスコミが一番罪が重い.

Monday, August 18, 2008

しかし,私があまり好きじゃない

女子柔道のあの方もねえ...。

プロ野球選手じゃなくて,女子マラソン英国代表のマーラ・ヤマウチ(Oxford卒+LSE修士!)の旦那みたいな人と結婚すればよかったんですよ。奥さんのオリンピックのために会社まで辞めちゃうんだから,ほんとうにアッパレだよ山内成俊ていう旦那は.

それか「育児が大変だから,銅が取れれば上出来」と最初から宣言しちゃうか。

本当にラジカルに行くなら,巨人軍レギュラーの旦那に育休とらせりゃ良かったんだよ。

でもやはりプロ野球と柔道という,文武両道の古臭い伝統の強く残るスポーツでは,そんなの不可能だったのも明白。それを,日本のスポーツにおける男権社会のせいだと見ることもできなくはないけど,彼女自身がそういうスポーツを牛耳る爺さんたちにチヤホヤされる事を嬉しがり,進んでやっていたという面の方がよっぽど強い.逆に今回も金メダル取っていたら,他の女子選手たちが,そういう親爺達に「何で君にはできないんだ」とか言われて困っただろうよ。

彼女について「国会議員を目指して着々と」と喝破したナンシー関の慧眼と,大昔のアグネス論争を思い出したよ。

女子レスリング

なんとはなしに北京五輪を横目で見ているが,女子レスリングの選手達はみんな素直でいいねえ.女子柔道も約一名を除いて,本人達はみんないい娘さんたちなんだけど,レスリングに比べると,浮世のしがらみや,伝統的な師弟関係のネガティブな面などが垣間見れて,なんとなく萎える部分がある.
 しかしアニマル浜口は,昔は悪役だったんですよ.猪木・藤波を敵に回して,長州力や谷津嘉章と維新軍で...って,私もおじさんだねえ.でもいまや猪木の方が,よっぽどダーティーなイメージだもんな.アントキの猪木は面白いけど.

Monday, August 11, 2008

Cassandra Wilson (Blue Note)

日曜の夜,妻とBlue Noteへ.Blue Light Til Dawn以降,Cassandra Wilsonのアルバムはすべて持っているが,ライブを聴くのは東京でもNYでも初めて.
 ぺったんこの透明のミュール(?)を履いて,ステージの上に敷いたカーペットの上,時々,赤ワインと思しきグラスで喉を潤しながら歌う.やはり歌唱力は圧倒的.少し時間が短かった(インストゥルメンタルの演奏が長かった)のと,選曲が最新アルバムからなので,スタンダードに偏っていたのが不満といえば不満.最新アルバムやThunderbirdも良いアルバムですが,やはり「Blue Light Til Dawn」と「New Moon Daughter」の二枚が最高.

Thursday, July 24, 2008

プリズン・ブレイク

逃げる.逃げるぞー.

直接民主主義

大学の意思決定は基本的に直接民主主義であり、少人数の直接民主主義では何が起こるかわからない.いやあシンガポールから帰ってきたら、えらい事になっていた.まったく正しい方向性ではあるのだが、本気かよ.

Sunday, July 20, 2008

最近の研究室音楽事情

Brad Mehldau が "Paranoid Android" を演奏していたことから、Radioheadを聞き始め、THE BENDSは、最近の私にしては珍しいロック系の愛聴盤となった.今度は、Radioheadが影響を受けたというPixiesに辿り着き、この1ヶ月ほどは彼らのDOOLITLEがi-podのヘビーローテーションになっている.気に入ったので、他のPixiesのアルバムも聞いてみようと思っているところ.あと上原ひろみが褒めていたので買ってみた、Squarepusherも凄く面白かった.ちょっと私の生活パターンでは、どこで聞くのかに困る音楽ではあるが.

しかし、我ながらジャンル的にはまったく節操のない音楽の聴き方をしているなあ.

Q (Desmond Llewelyn)'s last words

From WORLD IS NOT ENOUGH

Q: Now, pay attention, 007. I've always try to teach you two things. First, never let them see you bleed.
JB: And the second?
Q: Always have an escape plan.

そうです.いつも escape plan は用意しておきましょう.

Saturday, July 19, 2008

横浜+シンガポール

先週: 横浜であったアジア関係のファイナンス学会の国際大会にLocal Organizerの一人として参加する.初日,ジャケパンで行ったところ(一応ネクタイはしていった),周りが皆ダークスーツでビビる.

今週: シンガポールで,エコノメトリック・ソサエティの極東+東南アジア大会に参加して発表.先週の反省を踏まえスーツを持っていくが,着ているのは極めて少数.ノーネクタイの中途半端なクールビズで発表.

結論: アジアのファイナンスの連中は,やはりちょっと自意識過剰.それと自分が発表する論文は,横浜で消費CAPM,シンガポールで行動ファイナンスだったが,逆にした方が客受けは良かったものと思われるので,反省.

Tuesday, June 10, 2008

監督服装対決

ところでドナドニのスーツはドル&ガバだったんだろうな.ネイビーのネクタイで抑え目にしていて良かったが,それでも監督のカッコにしちゃちょっと艶っぽ過ぎたような.
 ファンバステンは,オーソドックスな紺無地のスーツにライトブルーのシャツで,ノーネクタイ.一歩間違えばクールビズなんだが,あれだけスタイルが良いと決まるねえ~.まあスーツも高いんだろうけど.

こっちの勝負も,オランダ圧勝.

オランダvsイタリア

仕事が溜まっているのに,朝の3時半に起き出してテレビを見る自分にもあきれるが,それだけの価値はあった試合だった.
 ファン=ニステルローイの1点目は,まあ事故のようなものだからしょうがない.2点目はスナイデルのシュートを褒めるしかない.ブッフオンのせいではない.次の1点をイタリアが取っていれば流れは大きく変わっただろうが,3点目はとにかく点を取りに行かざるを得なくなってのカウンターだから,これもまあしょうがない.
 イタリアはカンナバロの怪我ももちろん痛いが,ミランのMF陣をそのまま持ってきた中盤が機能していない.特にW杯の時と違って,ガッちゃんが全然駄目.ミランが今シーズン全然駄目だったんだから,むしろローマの中盤(デロッシ+ペロッタ)をそのまま持ってくれば良かったような気がするが,ミラン出身のドナドニにそれを求めるのは酷か.

 日本vsオマーンと較べてもしょうがないのは分かっているんだけどねえ...

Monday, June 02, 2008

Feldsteinの後継者はPoterba

去年の暮に、NBERがFeldsteinの後継者を探しているということを、このブログでも書いたのだが、結局今年の2月には、MITのJames Poterbaに決まっており、7月からはPoterbaがPresident兼CEOになるという:

http://www.nber.org/NBERnewpresident_release022008.html

結構、応用系の経済学者にとってはメジャーなニュースだと思うのだが、日本ではほとんど全く報道されなかったようで、私も最近NBERのWebを見に行く用事があって初めて知った.

Thursday, May 29, 2008

水曜の夜

は,現在の私にとって至福の時である.10時から「爆笑レッドカーペット」を見た後、今度は11時55分から「あらびき団」を見る.現在のお気に入りは,世界のナベアツ,アントキの猪木,はるな愛.嫁ともどもお気に入りなのは,ハイキング・ウォーキング.おかげで木曜日が眠い.

Tuesday, April 29, 2008

私は准教授

「准教授」という単語をInternetや2chで検索をかけると,かなりえらいことになっている.無論うちの大学ではなく,青学と灯台なのだが.

おかげで,うちの大学の急性アル中事故はあまり世間様の耳目を集めずに済むかもしれないが,人命が失われたのだから,本当はこっちのほうがよほど問題だ.GW連休の谷間だというのに,明日の会議は長く&重くなりそうで,個人的にも今から鬱である.

Monday, April 07, 2008

ちなみに

経済学者でもブログを持っている人はいくらでもいますが,アメリカでも日本でも,毎日のように定期的に更新している学者は,実は本業の方は現在進行形ではあまり活発ではありません.

*いまやテキストブック・ライターとしての方が有名になってしまったハーバードのマクロ経済学者.
*ノーベル賞確実とは言われるが最近はコラムニストとしての方が名前を見るプリンストンの国際貿易の専門家.
*今はバークレーにいる,私がハーバードで習ったマクロ経済史の専門家(ブログでの書評をするのが趣味みたい).

といっても,ここらへんは過去に優れた業績を上げた人たちですが...

研究者ですらこうなんだから,大学院生でブログなんか毎日書くやつは,ロクなもんじゃないですね.