Tuesday, October 13, 2015

Angus Deaton receives Nobel Prize in economics

と言う訳で、今年のノーベル賞はAngus Deaton。
消費で括るならRobert Hallと一緒でも、不平等の経済分析で括るならAtkinsonと一緒でも良かったと思うけど、逆に言うと守備範囲の広い大物なので、非常に納得できる人選・授賞だと思います。

彼は学術論文・学術書を書くにあたって、非常にeffectiveな文章を書く人だと思う。Understanding Consumptionという本は、出版されたのがアメリカの大学院で勉強を始めた直後だったので良く読んだ。白状すると、最近になって自分の論文で題名をパクったことがあります:"Understanding the decline in Japan's saving rate in the new millennium" Japan and the World Economy (2012)

Hillary Clinton on TPP

ヒラリーがTPPに関して"As of today, I am not in favor of ..."と発言した事を受けて、FTや日経までが彼女を大々的に批判し始めた。いやみなさん、真に受けるんですか? 言い回しからして、後で発言を修整する気満々なことがミエミエじゃないですか。と、思っていたらMankiwが(彼はRepublicanなので相当辛口だが)まさに私の思っていた通りの事をブログで書いていた。以下は、核心部分についての私の超訳:

「ではクリントンを支持しているエコノミスト達は、彼女に対する支持を撤回し始めるのだろうか?それは疑わしい。私の推測では、彼らのほとんどは、彼女の現在の発言を信じていないだろう。彼らは、彼女がいったんホワイトハウスに戻ったら、彼女の夫がまさにそうであったような貿易協定に対して中庸な態度に戻ると予想している。言い換えれば彼らは、彼女の発言が信用できないでことを計算に入れている。」

無論この議論の前提には、ほぼ100%のエコノミストが自由貿易を、したがってTPPを指示していると言う背景がある。

まあ個人的には、共和党は歴史的に自由貿易擁護の立場であるにも関わらず、その大統領候補指名レースのトップランナーであるDonald Trumpが、真っ向からTPPを否定していることの方が、よっぽど懸念を抱かせると思う。

Tuesday, March 10, 2015

日本の財政と安全保障の関係

この『日本は「戦争をできる国」にはなれない』という文章は,土居さんなので「絶対に財政再建が必要」という結論がまずありきで,その上で東洋経済の特集(『テロと戦争』)にあわせて書いたので,こういう議論になったんだろう.しかし経済学の議論としては良くても,安全保障の議論としては相当に中途半端だ.ここでの暗黙の前提は「日本から突っ掛からなければ戦争は起こらない」というものであり,逆にその前提を取り除いて「日本が良い子にしていても,近隣国から仕掛けられる可能性は否定できない」と認めてしまえば,我が国の財政がそんなに逼迫しているなら,いっそ核武装してしまう方が安上がりで,戦争抑止力としてのコストパフォーマンスは一番高い,というロジックだって成り立ち得る.

国内の不平不満をそらすために,為政者が国外の敵に目を向けさせるために戦争を起こすのは世の常であり,日本も少子高齢化が進んで経済・財政状況がどんどん悪化して行けば,そういう局面が出てこないとは言い切れないのは事実である.しかし今後50年を考えれば,より急速に少子高齢化が進み,不平等がより拡大して,国民の不平不満が蓄積して行く可能性が高いのは,どう考えても東アジアの近隣諸国の方だろう.つまりは,日本がパールハーバーを繰り返すことを心配するよりは,パールハーバー的に周辺国から仕掛けられないようにするにはどうしたら良いか,仕掛けられたときにどうやって上手くいなせば良いのかを考える方が,よほど大事な問題だろう.

だからどうしろいう名案の解決策が,いまの私にある訳ではない.ただ経済原理を踏まえない安全保障論はクソだが,シンプルな経済や財政の議論だけで安全保障の問題が片付くほど簡単な訳は無いでしょう,ということは強調しておきたい.

Friday, January 30, 2015

Favorite Music CDs in 2014

- Robert Plant / Lullaby and... The Ceaseless Roar / Nonesuch

- Fred Hersch Trio / Alive at the Vanguard (2012) / Palmetto

- Craig Handy / Craig Handy & 2nd Line Smith / Masterworks

- Jason Moran / All Rise: A Joyful Elegy for Fats Waller / Blue Note Records

- Dream 5 / ようかい体操第一 / itunes

- Idina Menzel / Let it go / itunes

Monday, December 29, 2014

2013年度の家計貯蓄率はマイナス

2013年度の家計貯蓄率がマイナスになったとニュースで騒いでいるので、簡単なグラフを作ってみた。「貯蓄=所得―消費」なので貯蓄率の低下は、所得以上に消費が伸びるか、所得が減っているのに消費が減らない(=減らせない)のどちらかによって起こる。家計貯蓄率は2000・01年にも大きく低下しているのだが、その時は所得が大きく減ったため、今回は消費が増えたためであることが分かる。消費が増えた理由がすべて消費増税前の駆け込み需要で説明されるのか、それとも家計が将来の所得増を見込んでいる影響が多少はあるのかは、もう少し新しいデータが利用可能にならないと分からない。

Sunday, November 30, 2014

買われるが読まれない本

Kindleでダウンロードした本の最後にマーカーを引いた(ハイライトした)ページのデータというのがあるそうで,Ellenbergという数学者はこれをHawking indexと呼んで「みんな買って本棚に置いておくが,ほとんど読んでない本」の尺度として使っている.無論,ベンチマークは『ホーキング,宇宙を語る』.WSJの記事によると,経済学ではカーネンマンの『ファスト&スロー』ですら『ホーキング,宇宙を語る』と同じレベル(本全体の6.8%).もうすぐ翻訳が出るPiketteyの『21世紀の資本』に至っては,ホーキングをはるかに下回るぶっちぎりの最下位(全体の2.4%!).「Pickettyが流行っているらしいから買わなきゃ」と思っている人は,とりあえずエコノミスト誌(今年の8/19号)の深尾先生・森口先生の論説を読んで見てからにしてはどうでしょうか. http://online.wsj.com/articles/the-summers-most-unread-book-is-1404417569

Tuesday, November 11, 2014

黒田バズーカ#2:その2

ついでにNYの証券会社にいる友人(フランス人)に「Kuroda Bazooka#2」は,Wall streetでどういう受け取られ方をしているんだとメールしたら,Let me look into itと言ってからしばらくして「みんなあんまり関心ない」という答えが返ってきた。彼らの大半は中間選挙の行方に気を取られていて,ドル高(円安ではない)の進行は,QEからの脱出と米国景気の相対的な好調さの自然な反映だという認識らしい。要するに日本で騒いでいるほど,海外では円安に関心を持たれている訳ではないってことですね。確かに他の通貨の対ドルレートを見ると,円安というよりドル高だしね。

黒田バズーカ#2と実質実効為替レート

定期健診の際に打った麻酔が効きすぎてまったく仕事にならなかったので,先週の金曜の午後,家でグテグテしながら直近の円安進行後の実質実効為替レートの水準を計算してみた。かなり大雑把な計算だが,とりあえず9月時点での実質実効レートに,その後の名目の円ドルレートの変化率をぶっかけるとこのグラフのようになる。黒田バズーカ#2直前の実質実効レートは,ほぼプラザ合意直前およびリーマン直前の水準で,バズーカ発射後は1982,83年頃のFrankelがdazzling dollarと呼んだ超ドル高の水準くらいである。これを見ると,国内インフレ率に大きな変化がない限り,短期的には118円くらいまでは行くかもしれないが,120円以上の超円安が発生するとはあまり思えない。

Tuesday, October 07, 2014

アベノミクス再考

8月の初めに発表した、外人さん向けのアベノミクスの解説を論文(エッセイ?)にした原稿を、主催者に提出した。自分ではニュートラルなつもりなのだが、米国でアベノミクスの話をすると、お前はなぜそんなに悲観的なんだという顔をされ、逆に日本では自分の考えていることを丸出しにすると、かなりの楽観主義者だとみなされる傾向にある。

で、2ヶ月前の発表から原稿の完成までに、景気に関してはかなりネガティブなニュースが続いたので、以下はそれに関する雑感:

1.「消費増税」というけれど、1989年の消費税導入は所得税の恒久減税とワンセット、97年の3%から5%への税率引上げでは所得減税が先行し、景気が回復するのを待ってやっと引き上げたという経緯がある。つまりここまでは、日本の税制が直接税(所得税)にウェイトを置いたシステムから、間接税(消費税)にウェイトを置いたシステムに移行していくプロセスに過ぎなかった。今回は、事前に景気対策で点滴を打っておいたとはいえ、家計にとってのネットの恒久的な増税の大きさでは89年・97年を大きく上回っているはず。私なんか、よくこの程度の消費の落ち込みでおさまっているよな、と思うんですが、みなさんどういう物差しで話をしているんでしょうか?

2.消費税引上げを1年先延ばししたとして、何が起こるか? 将来への負担の先送りとか言う前に、マーケットで何が起こるか考えた方が良いと思うのだが。

アベノミクスが、特に海外の投資家に高く評価された理由は、単なる緊縮政策austerityでも、単なるオールド・ケインジアンでもなく、「当面の経済成長率を引き上げつつ、長期的には財政再建にコミットする」というバランスを追求したからである。無論、1年先延ばしして劇的に景気回復すればそれもありだろう。しかしダメだったのでもう1年、またもう1年ということになれば、金融市場は安倍政権を見放すだろう。

というか、そもそも政府関係者が願っているほどには、マーケットは自民党政権の財政再建へのコミットメントを信用しているはずがないので、景気が悪くなるとすぐ注射をうちたがる古い自民党に首相が引きずられていると感じた途端に、株価は大幅下落し、円安が大きく進行するだろう。消費税引上げの先延ばしを主張している人たちは、「今そこにある」マーケットのリスクをちゃんと分かっているのだろうか?

Monday, July 14, 2014

2014年W杯ベスト11

個人的ベスト11

GK:ノイアー(ドイツ)
DF:ラーム,フンメルス,ボアテング(ドイツ)
MF:クロース(ドイツ),マスチェラーノ(アルゼンチン)
ハメス・ロドリゲス(コロンビア),A.サンチェス(チリ)
FW:ミュラー(ドイツ),メッシ,ディマリア(アルゼンチン)

次点:シュールレ(ドイツ),ロッベン,ブリント(オランダ)

ドイツ vs アルゼンチン 決勝

準決勝が両方とも残念な試合だっただけに,どうなるかと思ったが,ポゼッション=ドイツ vs カウンター=アルゼンチンという組み合わせがはまって,非常に緊張感がある良い試合になった.延長後半になって,最後やはりアルゼンチンの守備がへたってきたところに,シュールレとゲッツェという交代枠で入った若手が決めて,結局は大方の予想どおりの結末になった.

ベストゲーム: ドイツ vs アルゼンチン 決勝
ベストゴール: ファンペルシー オランダ vs スペイン 44分

PS メジャーなスポーツの大会では,大昔はQueenのWe Are the Champions,ここ最近はWhite StripesのSeven Nations Armyが定番だったが,これからしばらくはPharrell WilliamsのHappyがはやるのかしらん?

Sunday, July 13, 2014

移籍情報まとめ

スアレス: リバプール → バルセロナ
A.サンチェス: バルセロナ → アーセナル
ディエゴ・コスタ: A.マドリー → チェルシー
セスク・ファブレガス: バルセロナ → チェルシー
スアレス: リバプール → バルセロナ
A.コール: チェルシー → ローマ
マンジュキッチ: バイエルン → A.マドリー

ブラジル vs オランダ

開始直後にチアゴ・シウバがロッベンを倒し,PKを与えてイエロー.その後,15分ほどでブリントの2点目が入ったところで,もう見る気が失せて,そばにあった「鉄腕バーディー evolution」を読み返していた.さすがに,ドイツ戦と同じ失敗を繰り返されてもねえ.

「サッカーの怖さ」とか言われても,こうなってしまうと,やはりブラジルの,特に中盤のタレントが枯渇していたと考えざるを得ない.本当にワールドクラスと言えるのは,ネイマール,チアゴ・シウバと両サイドバック,かろうじてオスカル.ダビド・ルイスはフリーキックは凄いが,CBとしては守備が軽すぎる.ボランチの2人,パウリーニョとルイス・グスタポは,少なくとも今回のW杯では何かが特に優れているとは思えなかった.かつてのドゥンガ,マウロ・シルバ,エメルソン,ジウベルト・シルバといったブラジルの名ボランチと較べたら,いかにも凡庸.アタッカー陣も,ロマーリオ,ロナウド,ロナウジーニョ,リバウドといったレジェンドと比較になるのがネイマールだけで,しかも攻撃の核になるにはいくらなんでも若すぎる.メンバー選びの失敗とか,そう言うレベルの話ではないような気がする.基本的にタレントが足りない.

決勝は,まあ普通に考えればドイツでしょう.

Thursday, July 10, 2014

アルゼンチン vs オランダ (3)

普通,ワールドカップは準決勝・準々決勝あたりが,いちばん面白いはずなのだが,今回の準決勝2試合はどちらもなんだかなあという感じ.でもまあ,決勝のドイツ有利は動かないでしょう.

アルゼンチン vs オランダ (2)

延長になっても,基本は塩試合.なんか結局,ドイツがどんどん有利になっていくだけのような気がする...

お久しぶりの

マキシ・ロドリゲス

アルゼンチン vs オランダ

準決勝のもう1試合と違い,こちらはなかなかの塩試合.両方とも基本的に恐ろしく守備重視で,攻撃は個人の突破力頼みの一昔前のサッカーという感じ.後半になって多少守備がルーズになり,やっと本格的なパンチの応酬が始まった感じ.

Wednesday, July 09, 2014

ブラジル vs ドイツ (5)

まあ普通に考えると,2点くらいブラジルが返していてもおかしくないんだけど,最後に控えているのがよりによってノイアーだからねえ.

ブラジル vs ドイツ (4)

ブラジルよ,いくらなんでも前半に一点取りましょうや.

ブラジル vs ドイツ (3)

ケディラが5点目.なんじゃこりゃ,ブラジルざるですやん.

ブラジル vs ドイツ (2)

クローゼと思ったら,クロース二連発.ああ何やってんだか...

ブラジル vs ドイツ

カウンター重視のブラジルにつられる形で早いペースで始まったが,逆にカウンターであっさりミュラーが得点.ちょっとブラジル自滅気味.なんだかなあ

Sunday, July 06, 2014

オランダ vs コスタリカ

やはり5時には起きられなくて,目が覚めたらPK戦.GKがクルルに替わってるんですけど?

オランダが相当ヘマをしたんだろうとの予想はつくが,ベテラン勢が冷静に決めて,結局オランダの勝ち.つまり,決勝トーナメントに入ってから番狂わせは1試合もなかったということですね.

アルゼンチン vs ベルギー (6)

岡田の解説とダブるが,ベルギーがもう少し早く選手交代して,ギアをトップに入れていたらどうなっていたかわからなかった.とは言え,やはりベルギーはこのレベルで戦うには,チームとしての引き出しが少なすぎるかな.その割にこのゲームではコンビネーションも今ひとつだったし.

個人的にこのW杯のベストチームはドイツだと思うが,いずれにせよドイツ vs ブラジルの勝者が決勝でも勝つ可能性が高いのではないか.

アルゼンチン vs ベルギー (5)

クルトワがすげえのか,メッシがヘマッタのか...

アルゼンチン vs ベルギー (4)

いくら調子が出ていないとはいえ,アザールをさげますか...

アルゼンチン vs ベルギー (3)

うーんベルギーはなんでこう,コロコロとボールを失うのか.

アルゼンチン vs ベルギー (2)

前半終了.アルゼンチンは,まあこんなものだろう.最前線は素晴らしいが,中盤はほぼマスチェラーノのみでもっている.

ベルギーは,ワントップのオリジがまったく機能していないのが最大の問題だが,何で攻撃も守備もこんなに連携が上手くいっていないのか.こちらもアルゼンチン以上に中盤が機能していない.

アルゼンチン vs ベルギー

イグアインのシュートは素晴らしかったが,試合の質としては「フランス vs ドイツ」,「ブラジル vs コロンビア」の方が大分上だと思う.デマリアが途中でダメになってしまったのは,このまま勝てたとしても,アルゼンチにはかなり痛いのではないだろうか.

ブラジル vs コロンビア

結果は妥当だと思う.ハメス・ロドリゲスは良い選手だが,ブラジルで言えばせいぜいオスカールと比較できるかどうかというレベルで,まだメッシやネイマールとは比較できるレベルにない.コロンビアは確かに良いチームだったが,あとはせいぜいクアドラードくらいなので,今大会のブラジルとまともに張り合えるところまでは行っていなかったと思う.

試合自体は,カウンターの繰り出し合いになって,ちょっとガチャガチャしていた.少し荒すぎたし,レフェリーはもう少し厳しめに反則をとるべきだったと思う.ただネイマールを骨折させたスニガのプレーは,アンラッキーだったけど,リアルタイムで見ていた限りでは意図的だったとは思えなかった.

Saturday, July 05, 2014

フランス vs ドイツ (5)

ベンゼマ決めたかと思ったが,ノイアー凄え.

ヘビー級の土突き合いだけど,結局,中盤の面子の地力はドイツが上だった.特にクロースは本当に良い選手だねえ.

フランス vs ドイツ (4)

フランスはジルー投入.シュールレはひげを剃った方がいいな.

フランス vs ドイツ (3)

しかし,この対決はGKの水準高いねえ.ああ,エジル下げられちゃったか.

フランス vs ドイツ (2)

着ているものの違いもあるんだけど,歳食ってみえるデシャンより,レーブの方が一回り年上なんだよなあ.

フランス vs ドイツ

コッシー&メルテのアーセナルコンビは,どちらも先発落ち.ドイツはラームがアンカーよりも,このシステムの方が良いと思う.
とか書いている間にフンメルスのヘッドで,1点.

Monday, June 30, 2014

メキシコ vs オランダ

「ブラジル vs チリ」「コロンビア vs ウルグアイ」を見た後だと,多少緊張感に欠ける試合だったが,特に後半試合の展開は面白かった.最後は,知将ファンガールの面目躍如といったところだろうか.後半の給水タイムの前後で,キャプテン&エースのペルシを下げてフンテラールを入れ,大胆にフォーメーションを変更して大当り.それにちゃんと対応できるオランダの選手も凄い(特にカイト).3バックだろうが4バックだろうがドンと来いというチームとしての戦略対応力の高さは,ヨーロッパ勢,特にオランダ・イタリアの専売特許だよなあ.無論,自分たちの基本フォーメーションに拘る南米勢やスペインというのも,それはそれで魅力的なんだが.

Sunday, June 29, 2014

コロンビア vs ウルグアイ (3)

まあ,これはいずれにせよ日本は勝てる相手ではなかったですね.ウルグアイの代わりにイタリアが出てきていたとしても,普通にコロンビアの勝ちだったでしょう.思った以上に近代的で,よく組織されたチーム.ウルグアイも十分良いチームなんだけれど,良くも悪くも古典的で,特に中盤の構成力はコロンビアが数段上だった.

コロンビア vs ウルグアイ (2)

確かにハメス・ロドリゲスのゴールは凄い.しかしクアドラード,スニガの縦への突破も十分立派な飛び道具だよな.

コロンビア vs ウルグアイ

高速カウンターの繰り出しあいで,忙しなかったブラジル vs チリと異なり,特にコロンビアの方がペケルマンのパスを繋ぐ組織的なスタイルなので,重厚だが緊張感のある立ち上がり.まあこちらの方が普通だよねえ.

ブラジル vs チリ (5)

チリにとってはまさにベスト・ゲームだったし,勝者にふさわしかった.ブラジルはやはり地力では勝っていたと思うが,チームとして応用力がないというか,基本的な攻撃スタイルを封じ込められた時のチームとしての戦略・柔軟性に欠ける面は否めない.まあ,でもここでホスト国が消える訳にはいかないしねえ.

あとハワード・ウェッブは,ジャッジが難しい試合で良い仕事をしたと思う.

ブラジル vs チリ (4)

チリのハイプレス+ショートカウンターがハマっているというよりは,ブラジルが自分たちからハマりに行ってしまっている感じ.GLでのオランダみたいに,逆に相手に持たせるというのは有効だと思うのだが,まあホームで攻撃サッカーが義務づけられているブラジルにその選択肢はないよなあ.

しかし,決勝トーナメントに入って1試合目でいきなり延長かよ.眠いよ〜.

ブラジル vs チリ (3)

いまフッキのはハンドではないと思いますが...
しかしチリの監督のサンパオリも,フェリポーンに劣らずいい味出しているよねえ.

ブラジル vs チリ (2)

まあバルサはメッシ・システムなのでしょうがないけど,ネイマールはブラジル代表での方が生き生きしてるねえ.

ブラジル vs チリ

なんか初っ端から,ビュンビュン高速のすごい土突き合い.ブラジルが一点取って落ち着くかと思ったら,すぐチリが取り返す.そのまま土突き合って前半が終わる.

しかしフェリポーンは,相変わらず近所にいる声のでかいオジサンという佇まいだ.

オシムの総括

私自身はオシムの発言ほどには肯定的になれないが、多分、サッカーマニアで代表の試合を丹念に追いかけてきた人ほど、W杯の失敗はそれはそれで総括せねばならないが、ザックJapanの4年を無意味だったと思わない/思いたくないという感じだと思う。そしてオシムの締めのセリフ、『この敗戦が「いい経験」になるかどうかは、今後の努力次第なのだ』というのは、まさにその通りでしょう。
http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2014/06/26/kiji/K20140626008444250.html

Wednesday, June 25, 2014

日本 vs コロンビア (2)

まあ,相手が相手だししょうがない.しかし今日のサッカーができていれば,ギリシャ・コートジボワールとは互角以上に戦えていただろうに.

しかしこの大会,中南米の国のホームアドバンテージはやはり相当に大きいのだろう.さもなければ,メキシコではなくクロアチアだったろうし,イタリアがウルグアイとコスタリカの両方に負けるというのも考えにくい.よく考えると中南米でW杯をやるのは,マラドーナが優勝した1986年以来で本当に久しぶりなのね.北米まで含めても,米国での開催がちょうど20年前.だから南米でサッカーをしたことのない国のチームが手こずるのも,よくわかるわ.

何はともあれ,これでアベノミクスによる景気回復が終焉になるのだけは避けたいよね.

日本 vs コロンビア

なぜよりによって,この重要な試合で松木を使う...

イタリア vs ウルグアイ (5)

うーん,結構微妙な判定が続くよねえ.それはイタリアも怒るよなあ.

イタリア vs ウルグアイ (4)

スアレス,噛んでるんですけど...

イタリア vs ウルグアイ (3)

マルキージオ,何やっとんねん...

イタリア vs ウルグアイ (2)

いやあスアレスも堪らないが,ブッフォンも堪りませんな.

イタリア vs ウルグアイ

あたり前ですが,いやあオランダ vs チリ以上にガチですな.堪りませんな,この感じ.

Tuesday, June 24, 2014

5時から日本 vs コロンビア

だが,その前に1時からイタリア vs ウルグアイ...うーん,とりあえず寝るかな.

「オランダ vs チリ」 & 「スペイン vs オーストラリア」

何人かの好きな選手(ビジャ,Xアロンソ,トーレス)の代表ラストマッチの可能性が高かったので,スペインvsオーストラリアも気になったのだが,さらに両軍とも飛車落ち(ペルシとビダル)ではあるのだが,やはりガチの殴り合いの方が面白いだろうということで,オランダvsチリを観戦.前半はチリがポゼッションで勝り,オランダが押し込まれつつもカウンター発動で見せ場の数はより多いという展開.フランスW杯の,ポゼッション重視のヒディンク・オランダに強い印象を受けた人間にとっては淋しい部分もあるが,何せディフェンスのプレーヤーの質に大きな問題を抱える現在の状況では,まあファンガールの戦略は合理的な選択なのだろう.

 と思っていたら,さすがに前半は監督の意図以上に引き過ぎていたようで,基本線は変わらないものの後半はオランダがもう少し前目から厳しく守るようになり,さらに殴り合いの様相が激化する.で最後は飛び道具の破壊力の差が出たようで,ロッベンを中心としたカウンターがきれいに決まって,オランダが2点差勝利.
 でもオランダの守備もかなりガツガツ行っていたので(そうしないと今のオランダは守りきれないので),レフェリーがもう少しファールに厳しければ,試合はチリに転んでいたかもしれない.

Monday, June 23, 2014

ポルトガル vs USA

2-1で終わるはずが,最後の最後で同点に.チームとしてのグタグタぶりという意味では日本の上を行く感じのポルトガルだが,まあそこはバロンドールだからねえ.やっぱなんだかんだ言ってもCR7は凄いわ.

Friday, June 20, 2014

日本 vs ギリシャ (3)

まあ三連敗もあると思っていただけに,極端に悲観するつもりはないが,いろんな要因が悪い方向に転がっていることは事実だろう.ギリシャは早い時間で人数が少なくなってしまい,無論,日本に勝てなければグループ突破の可能性は大きく低下するのだが,それでも両者引き分けになった時の可能性は,最終戦がコロンビアの日本よりはまだましだと考えたのだろう.あれだけデカくて守備の上手い相手に,ゴール前に引き込まれるとやはり日本は辛いよねえ.まあコートジボワール戦と違ってちゃんと攻めていたので,この結果には納得しています.

日本 vs ギリシャ (2)

ミトログルと内田がともに26歳とは...

日本 vs ギリシャ

日テレなのでまさかとは思ったが,さすがに松木・越後ではなかったか.

香川も遠藤も外したか.ザックもやる時はやるねえ.

Wednesday, June 18, 2014

ブラジル vs メキシコ,ロシア vs 韓国

ブラジル vs メキシコ:0-0
思い切り眠い中,頑張って起きて見続けた割にはいま一つ戦術的なスペクタクルさに欠けた試合だった.まあ南米勢同士の対決だからしょうがないけど(メキシコは北中米予選だが,サッカー文化としては完全に南米系だよな).ただ王国ブラジルに立ち向かうメキシコの立場から見ると,これ以上スリリングな試合はないし,満足のいくものだったと言えるだろう.そして日本サッカーが参考にすべきはまずはメキシコというのも,昔から言われていることだが,至極真っ当な主張だと思う.

ロシア vs 韓国:1-1
こちらはまったく真面目に見ていた訳ではないが,何というか本当に面白くなかった.ブラジルvsメキシコが徹頭徹尾ガチンコの真っ向勝負なのに比べると,こっちは最初から引き分けでもいいやという本音が,両チームともから感じられる中途半端な試合.しかも韓国の得点の際のロシアのキーパーのミスは,オランダ戦でファンペルシに二点目を入れられた時のカシージャスと同じくらいお粗末なもだったと言わざるを得ないだろう.

Tuesday, June 17, 2014

ドイツ vs ポルトガル (4)

結局4-0.このW杯は,ラテン系がアングロサクソン系に虐殺される大会なのだろうか? しかしドイツのMF陣の充実ぶりは凄い.クロースは初めてプレーしているのをじっくり見たが,やはり非常に良い選手ですね.

ドイツ vs ポルトガル (3)

日本は中盤が売り物だということになっているが,このドイツ代表では本田も香川も食い込めないだろう.控えですら怪しい.いや日本がダメという話ではなく,ドイツが豪華すぎるという話なのだが...

ドイツ vs ポルトガル (2)

あーあ3点目入っちゃったよ.後半見ないで寝ようかな.しかしゼロトップと言っても,ミュラーくらい高さがあれば,従来のFWとしての機能も十分果たしているので,スペインでセスクあたりをゼロトップに置く状況とは違うと思うんだが.

ドイツ vs ポルトガル

既に2-0で,さらにペペがミュラーに頭突きで退場.頭突きといえばフランスW杯のアルゼンチンvsオランダで,オルテガがファンデルサールにかました一発だが...

Sunday, June 15, 2014

オーリエ

アーセナル入りが噂されてるだけあって,確かにいいサイドバックだ...

本田は偉い

が,コートジボワールのキーパーも少しチョロいのではないか.日本1ー0コートジボワール.

日本 vs コートジボワール

今野→森重,遠藤→長谷部,ワントップは大迫.つまりは前半は慎重に行って,飛び道具は後半にとっておくということか.つまりザックは意外に合理的&戦略的.

イングランド vs イタリア(4)

「プランどおりのプランデッリ」by 早川

イングランド vs イタリア(3)

とりあえずオサレ勝負はイタリアの圧勝だな.マルキージオは鉄板として,初めて見るがマッテオ・ダミアンもなかなかのイケメンのような気がする.

イングランド vs イタリア(2)

NHKはアナウンサーも画面表示も,イングランドのDaniel Sturridgeを「ストゥーリッジ」としているが,私の知る限り「スタリッジ」の方が近いと思うのだが.

イングランド vs イタリア

ある意味,オランダ(=イングランド)vs スペイン(=イタリア)に似た展開で,後者がポゼッションでは勝っているが,前者の方がチャンスを作っている.と思っていたら,マルキージオの見事な一発でイタリア先制.と思っていたら,今まで目立っていなかったルーニーの見事なクロスで同点.

ウルグアイ vs コスタリカ

ある意味,オランダvsスペインよりも番狂わせ.何が起きたんだ.

Saturday, June 14, 2014

オランダ vs スペイン

まさかこういう展開になるとは...ファンハールの策がはまり,加えて雨が...ということか? カシージャスのパフォーマンスはいくらなんでも酷いし,ピケも?という感じ.ディエゴ・コスタもPKの場面以外はあまり目立っていなかったし,最初からトーレスでも良かったのでは.あとオランダのブリントは,初めて見たけど良い選手ですね.

Friday, June 13, 2014

クロアチア

ニコ・コヴァチが監督...,だけどスルナはまだ居るのね.

ネイマール

最初のカードも,最初の得点もネイマール.しかし,シュートの精度はさすがとしか言いようがない.

チェルシー、セスクの獲得を正式発表…5年契約、背番号4

うーん,複雑.まあアーセナルの現状を考えれば,中盤は余っているからなあ.

ブラジルW杯

始まってしまった.案の定,ブラジルが攻めて,クロアチアがカウンター狙いの展開.そして,ああ,マルセロやっちまった...なんてわかり易い.

Sunday, May 25, 2014

CL決勝

まあ面白かったが,内容としては凡戦のような...。

アトレティコはディエゴ・コスタが早々に退場,レアルはシャビ・アロンソが出場停止で,CR7も怪我で明らかの本調子ではない.両方とも飛車・角なしで将棋をやっているようなもので,試合の質はいまいち.とは言え,ディマリアとセルヒオ・ラモス,それにモドリッチの3人は素晴らしかったと思う.

Wednesday, May 07, 2014

実務家に大学院レベルのマクロ経済学をどうやって教えるか?

出向で2年間お世話になった財務省の研修とは,良かれ悪しかれなかなか縁がきれなくて,今年度はなぜか「上級マクロ」,すなわち学部ないしは大学院の修士で経済学を専攻した連中を相手の講義を担当させられたので,その感想を備忘録的に:

研修の担当者も,研修を受ける側の受ける若手の方も理解しているが,このレベルでマクロ経済学の授業は,特に教える側としては恐ろしく難しい.

理由その1(=技術的な理由)米国の大学院では,1年目の必修のマクロの授業の少なくとも2割,場所によっては半分近くを,動学的最適化の技術的なテクニックの習得に割く.それよりは大分ちょろい一橋でも,大学院の上級マクロは週2回1学期分の授業を二人の教員で担当し,そのうち一人は半分以上を動学最適化に割くことになる.ところがMOFの時間の割当てで,真面目に動学的最適化を教えようとすると,どんなに刈り込んでいっても全体の半分をそれに割り当てることになる.これにOLGなんか加えたら財政金融政策の話をする時間なんか皆無.  その一方で最近,財務省で海外の経済のPh.D.に行く若手は一年で0人~2人。海外留学組のうち恐らく半数以上が英国(LSE, Oxford, Cambridge, UCL等)の一年で終わる修士課程で,残りが米国のPublic PolicyかBusiness School.この状況で動学的最適化のテクニックを,クソ真面目に教える意義はあまりないし,そもそもPh.D.に行くつもりの奴は初めからある程度理解している.
 そういう訳で,今回は「2期間の異時点化最適化問題とオイラー方程式の導出と解釈を厳密にやって,infinite horizonの動学的最適化はその延長線上で軽く触れるに留める」というやり方にした.まあ頼んできた担当者も,「動学的最適化とDSGEの線形近似のみ」の上級マクロは役所では全く役に立たないということがかってきたというか、そういう詰め込み方をしても、結局受講者が全然理解できていないということが過去の経験の蓄積から分かってきたようだ。で,私のようなやり方をする人間の方が良いと判断して,上級マクロを振ってきたのだと理解している.

経済学部出身のキャリアに「マクロ経済学」を教えるのが難しい理由その2:
リーマン・ショック以降,私の専門のファイナンスもゴタゴタしてはいるが,マクロ経済学はそれとは較べものにならないほど混乱している.「グレート・モデレーションだから,ニューケインジアンのDSGEで金融政策をMatlabでちょちょっとやればグー」みたいなパラダイムは崩壊していて,じゃあ何をやればいいのと言われても,あんまし明確なコンセンサスは出てきていない.リーマンの前にPh.D.を取ったミクロ専門家とかが,訳知り顔で「米国のマクロはDSGE」なんて言うのは,ミスリーディングもいいところで本当に迷惑.
 最後の時間に受講者に「ではDSGEでなければ,どういうマクロを勉強するば良いのか」と聞かれたが,正直上手い答えは見つからなかったので、こういう回答をした:「行列を使った議論の展開を厳密に理解しなくても、計量経済学で何が問題になっているかは理解できるはずなので、DSGEに対してもそういうアプローチで良いのではないか.あとはRogoffやCaballeroのDSGEの問題点に対するコメントを読んでください.Rogoffの方がまだしもDSGEに好意的ですが,しかし二人の論点は共通しています」:

"A fair criticism is that because academic researchers place great emphasis on internal consistency, there is tendency to give far less rigorous attention to external consistency. (Rogoff)",
"current core—by which I mainly mean the so-called dynamic stochastic general equilibrium approach—has become so mesmerized with its own internal logic that it has begun to confuse the precision it has achieved about its own world with the precision that it has about the real one. (Caballero)"

http://scholar.harvard.edu/rogoff/publications/three-challenges-facing-modern-macroeconomics
http://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=1683617

Monday, April 28, 2014

STAP細胞問題

もう,どこから手をつけて良いのやらという感じで報道が過熱化しているが,個人的には日本の報道機関の科学報道に関する基礎体力のなさに今更ながらあきれているのが,一番の感想である.

小保方氏がまともだとは到底思えないが,世界を見渡せばSchön scandalとかヒト胚性幹細胞捏造事件とか,もっとひどい例は過去に幾らでもあった.ちゃんとした科学記者であれば,そういう過去の記録を一般の人々に重要な情報としてしっかり伝えるべきなのに,それを敢えてしないのか,そもそも能力がないのか...。まあ,経済(学)の報道関係者も,そういうのが大半ですが.結局最後は全部,池上彰さんにお願いしますなんていう状況になってしまっていて,少しはマズイとか悔しいとか感じないんだろうか.

GPIF問題

先週の日経の経済教室に載った,伊藤隆敏氏のGPIFに関する提言がかなり過激だったので,私のところにも「お前の師匠は何を考えているのだ」というお門違いのメールや書き込みがあった。伊藤さんの主張についてより詳しいのは,下記のBloombergの記事だが,私自身としてはこれを読んでもいま一つ良く分からなかったというのが正直な感想である。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N45Y1D6JTSF001.html

JGBを減らして株式保有を増やせというポートフォリオ配分の議論については,まあ方向性は理解できる.しかし,具体的な数字としてあげている配分水準の理由づけの前提となる情報・議論が,単純な海外との比較以外は何も示されていないので,これだけで賛成しろと言われても,ハイそうですかという訳には行かない.とは言え,フェルトシュタインも米国の年金を株式で運用した際の期待収益率については,恐ろしく楽観的な発言を長年に渡って繰り返しているので,世界的なレベルで言えば特に過激といえるほどの発言ではないだろう.

一方,GPIFのガバナンス改革についても,伊藤氏が何が最も本質的な問題だと考えているか,具体的にどこをどう改革すればよいと思っているかが,多分御本人がそう思い込んでいるほどには,他の人間・読者には伝わっていないし分かり易くない.とは言え,伊藤案(?)を批判する人達の議論も驚くほどナイーブなので,まったく説得力がない(例えば小幡氏のこれとか).

Tuesday, February 04, 2014

「STAP細胞」を巡る,「一部」の報道への違和感

「リケジョ」についてはわかりませんが,ここら辺の報道の仕方について
* リケジョ、小保方さんに続け ピンクの研究着に夢こめて
* キスでお目覚め「お姫様細胞」 小保方さん、幻の命名案
アカデミックな研究者という同業者としての違和感を書きます。

名前は忘れたが古株のサッカー・ジャーナリストが,日本代表の記者会見で「稲本くん」と呼びかけた若手記者に対し,「ちゃんと『稲本選手』と呼べ」と注意したという話を読んだことがあります。無暗に選手との仲の良さを強調したがる,あの『やっべちFC』の司会者でさえ,番組の中の最初の呼びかけでは,男女とも「香川選手」「川澄選手」と声をかけるのが普通です。
 ここでの報道の対象は、早稲田大学で博士号を取得していて,理研という国内の大半の大学を凌ぐ研究実績・研究環境を誇る研究所に属している研究者です。若かろうが女性だろうが,iPS細胞の山中教授と同じく立派なその道のプロです。したがって彼女の研究・仕事について報道するにあたり,「ユニットリーダー」という職名が長過ぎるのなら,小保方「博士」か「研究員」であって,やはり小保方「さん」はないでしょう。アカデミックな研究という世界での常識をある程度分かっている人間なら,やはりそこに,ある種の先入観・目論見が潜んでいると感じない方がおかしい。呼び方という,一番基本的なところで大きな違和感があるので,結局,その他の報道全体に違和感を感じざるを得なくなってしまいます。

また,この件に関する日経の報道は一貫して極めて穏当なものであるので,日本の報道機関全体の問題だとも思いません。日本の大手新聞の一部に,この種のことに極めてニブイ,残念な方たちがいるというのが実際のところだと思います。

PS. なお2002年にノーベル化学賞を受賞した田中耕一さんは,東北大の学部卒で,その後,母校から名誉博士号を授与されたが,ノーベル賞受賞時も現在もあくまで普通の民間企業の会社員。だから「さん」か「氏」で良いし,そうとしか呼びようがない。

Monday, February 03, 2014

内閣府職員が変死、ゴムボートで漂流 韓国で消息絶つ

ネットでは妄想に近い憶測が飛び交っていますが、一応、短期間とはいえ霞ヶ関に身を置いた人間の感覚で言うと:

* 内閣府の経済社会総合研究所に所属の経済職
* ミネソタ大の(恐らく)経済のPh.D.に留学中だった
* 以下の菅長官の説明によると、自分から役所に申請して、許可を得て韓国の会議or学会に出席(=役所の指示で行った訳ではない)
http://www.asahi.com/articles/ASG233SB5G23UTFK001.html

ということだと、外交とか諜報活動とかいった話とはまったく無縁の立場だっとしか考えられない。つまり、1%くらいはとんでもない国際的謀略に巻き込まれた可能性がなくは無いですが、普通に考えれば、私事でトラブルに巻き込まれた、もしくはトラブルを引き起こしたと推測せざるを得ないのではないかと。

Thursday, January 30, 2014

経済セミナー2月・3月号

昨年12月、久保田先生(中央)・筒井先生(阪大)・大垣先生(慶應)のご協力を得て開催した、日本ファイナンス学会の特別研究観望会「2013年ノーベル経済学賞 ファーマ、ハンセン、シラー教授の資産価値の実証分析への貢献」の模様を掲載した『経済セミナー』の2・3月号が出版されました。
http://www.nippyo.co.jp/magazine/maga_keisemi.html

なお当日配布したが、紙幅の関係で『経セミ』では大幅にカットせざるを得なかった私の解説論文のフルバージョンも、ディスカッション・ペーパーとして発行しました。勉強熱心な学生さんは、こちらもぜひ。
http://www.ier.hit-u.ac.jp/Japanese/publication/DP2010-2014.html#1

Thursday, January 09, 2014

Favorite Music CDs in 2013

- Charles Lloyd / Jason Moran, Hagar's Song, ECM.
- Geri Allen, Grand River Crossings: Motown & Motor City Inspirations, Motéma Music.
- Dave Holland, Prism, Dare2 Records.
- Boz Scaggs, Memphis, Savoy Jazz.
- Janelle Monáe, The Electric Lady, Bad Boy.

Saturday, December 28, 2013

『政治の代償』

昨日で大学の行政の仕事は一段落したので、年賀状を書きつつ、しばらく前に買ってあったボブ・ウッドワードの「政治の代償 The Price of Politics」を1/3くらい読む。内容としては、いわゆる「財政の壁」問題を巡るオバマ大統領と野党共和党の間の、うんざりするような抗争(?)のドキュメンタリーである。まあ、おおよそのことは想像がついていたのだが、やはりオバマはそういう人で、オバマ政権というのはそういう根本的な問題を抱えていたのね、というのがよく分かる。清廉潔白で賢く、理想は高いが、頑固で人の言うことを聞かない人(オバマ)と、女たらしだが、同時に人たらしで政治的交渉・韜晦に長けた人(クリントン)、どちらが政治的リーダーとして有能かと言うと、経済問題が最大の政治問題であるような状況ではやはり後者だろう。(無論、オバマが黒人として初めて大統領になったことの歴史的意義は極めて大きいと思うが。)

なお、もう少し分析的な視点から、民主党vs共和党の政治経済学と米国政治の機能不全の問題について知りたいという方は、It's Even Worse Than It Look by Thomas E. Mann and Norman J. Ornsteinという本が優れています。

Wednesday, November 27, 2013

ファイナンス・経済学関係者向けのお知らせ

日本ファイナンス学会の研究観望会では、「ノーベル経済学賞2013年:ファーマ、ハンセン、シラー教授の資産価格の実証分析への貢献」と題した講演会を、来週12月3日(火)の夕方に一橋講堂で開催します。祝迫が露払いとして全体解説を行い、パネリストとして、それぞれ3人の受賞者と関係の深い、大垣昌夫慶應大学教授、久保田敬一中央大学教授、筒井義郎大阪大学教授を迎えます。

学会員以外の方も以下のWebから申し込めます(無料です)ので、みなさまはもちろん、興味のありそうな学生等を御存知でしたら知らせてあげてください:
http://www.nfa-net.jp/seminar_info.html?sid=26

締切は11月29日金です。

Wednesday, October 16, 2013

2013年ノーベル経済学賞: Fama, Hansen, Shiller

NYの証券会社にいるHarvard時代の同級生から、What do you think of the Nobel Prize in economics this year?というメールがあったので、それへの答え:

1. 三人ともノーベル賞に値すると思う。

2. しかしながら今回の賞の与え方は、大陸ヨーロッパの連中の、経済学とファイナンス業界における米国支配に対する、深遠な陰謀(?)という気がしなくもない。ノーベル賞委員会は、どこかの時点でFamaとHansenにあげなければならないとは思っていたのだろうが、同時に彼らが新古典派ファイナンスとハイテク数量ファイナンスが嫌いなことは容易に想像できる。(彼らは過去にもPrescottをKydlandと共同受賞にし、しかも受賞理由ではrules vs discretionの研究に焦点をあてることで、かなり意図的にRBCを軽視するように仕向けたと思う)。
 Shillerは確かに尊敬するけれど、他の2人の功績がShiller以下ということは決してない。しかしこの3人を並べてしまえば、一番分かりやすいのはShillerなので、メディアのスポットライトは彼に集中するだろう。それによって、一般の人々がFamaとHansenの業績の重要性を軽視する/理解する機会を逸するようなことになれば、非常に嘆かわしいことだ。しかし実際、日本での報道のされ方はそうなりつつある気がする。

もし私が勝手に選ぶことができたのであれば、Short listは以下のようになる:

1. Gene Fama and Steve Ross (perhaps add Mike Jensen) for their contributions in neoclassical finance.

2/3. Lars Hansen for his contributions to econometric methodology and financial econometrics.

2/3. Doug Diamond for his contributions in economics of banking.

4/5. Bob Shiller and Richard Thaler for their contributions in behavioral economics and behavioral finance.

4/5. Sanford Grossman and Pete Kyle for their contributions in analyses of financial markets with asymmetric information and market microstructure.

* もし一つの業績に対して与えられるという、自然科学の賞の与え方を踏襲するなら、Harrison and Krepsも含めるべきだろう。
* Duffie, Campbell, Shleiferといった人々は、あと10年・15年待っても良いだろう。

Wednesday, September 25, 2013

キングオブコント2013

個人的には天竺鼠が一番面白かったが,まあ優勝はかもめんたるでも構わないかな。いずれにせよ,去年のバイきんぐの方が圧倒的に良かったが。逆に,鬼々島がなぜ高得点だったのかは解せない。

Sunday, August 18, 2013

Things about Jazz

1. 山中千尋「ジャズのある風景」
かなり面白かった。ただ、ある程度聞き込んでいて、JAZZの歴史や様々なアーティスト(Paul Belyが誰で、ミュージック・コンクレートが何かとか)、またNYの街を知っている人でないと、面白さは半分くらいしか伝わらないかも知れない。

2. 週末、妻と一緒にBNへTerence Blanchardのライブを聴きに行く。CDは持っているがライブは初めてで、もの凄く好きなミュージシャンという訳ではなかったので、そこまで期待していた訳ではなかったのだが、始まってみたら恐ろしく良かった。やはりJAZZは、ライブを聴かないと本当の良さが分からない部分がどうしてもある。とにかくバンドメンバー全員がテクニックに秀でていて、なおかつそれぞれのキャラクターも際立っている(例外はベーシストで、21歳でジュリアードを卒業したてというのだから仕方ないが、それでも技術は恐ろしく確か)。あとで気づいたが、ピアノは今年の2月のNY出張の際にVillage Vanguardでトリオの演奏を聴いていて、それも結構良かった記憶がある。バンドのCDはこちら

Friday, August 02, 2013

Transfer Talk

ヴェンゲルが決まりかけていたイグアインを見送ってまで、スアレスに固執するのは意外だった。コンフェデで良かったし、バイエルンで余ってみたいだから、ルイス・グスタポを取ったらどうか?ところでドルトムントのフンメルスがバルサに行く話はどうなったの?

東アジアカップ:備忘録

とりあえずトップチームで使えそうなのは、柿谷◎、山口蛍○、豊田○、栗原○。あと川島が最近あまり(結構?)良くないので、キーパーは結構期待していたんだが、あまり強い印象を残した選手はいなかった。もう楢崎に帰ってきてもらったら?

Monday, July 22, 2013

The last music I downloaded

日米歌姫競演

Janelle Monáe - Tightrope (feat. Big Boi)
ウェリントンへの出張の帰りのNZ航空の機内でmusic videoを見てから、はまってしまった。

きゃりーぱみゅぱみゅ - にんじゃりばんばん & インベーダーインベーダー
こちらはもう定番か?

でもどちらも、アルバム全部downloadするところまではいかないんだよな...。

東アジア杯 日本 vs 中国

選挙速報は見る気も起きなかったので全部見てしまったが、うーんなんだか本当にドタバタした試合だった。まあ3-4日前に全員が集まった急造チームじゃしょうがないが、とにかく守備はもう少しどうにかならなかったのか。まあ気候も審判も、日本に味方しなかったことは確かでしょうが。

柿谷・工藤・高萩・金髪の方のボランチ(山口?)は、A代表レギュラー組の中でもう一回見てみたい。とはいえ、前の方は今のA代表のレギュラーの中に割り込むのはしんどいでしょうが...。

守備陣は...別に吉田麻也・今野をそんなにむちゃくちゃ高く買っている訳ではないんだが、昨日の槙野・栗原じゃどうにもならんよな。

Monday, June 24, 2013

Will there be a crisis in JGB market?

I was preparing a graph of recent long-term interest rate movements for my conference presentation in NZ. So I picked up the episodes of the sharp increase in the long-term interest rates in recent years. The following numbers and the picture of long-term Japanese government bond (JGB) rates are based on the Nikkei JGB index for seven to eleven year maturities:

- 0.550% in six days from Nov to Dec 1998
- 0.234% in seven days in June 2003 (so called “VAR shock”)
- 0.685% in 8 days in August 2003
- 0.388% for 14 days in April 2008

The interest rate surge in last month, May 2013, was 0.290% in six days or 0.353% in 10 days. Therefore, it was not particularly large as a rise in one week. The rise in April 2008 was even larger for the change over two week period. Given the fact that the long-term JGB rate had gone down for nearly 0.3% in the first three months of 2013, there is no surprising at all to see the increase of this magnitude in the long-term JGB yield.

Fussing about a potential crisis in JGB market in current market environment is ridiculous, but that is exactly some media and pseudo economists on web are doing right now. Japanese government and the Bank of Japan also reacted too seriously to all those nonsense by making rather pathetic comments such that “we are committed to keep the interest rate low and stable.” They should have instead said “We don’t worry. Within the expected range.” Things has becomes unnecessarily complicated because authorities reacted unnecessarily nervously.

Tuesday, June 18, 2013

ドバイ妻?

テレビを見ていたら、倉沢淳美(わらべ)が結婚してドバイ在住? どこぞの御曹司と結婚して名古屋に住んでいるのではなかったのか? 離婚したのか?と思ってよく考えたら、それは斉藤満喜子(うしろ髪ひかれ隊)だった。そういう私は、当時は生稲晃子派。

Austerity

Austerity.最近、経済関係の英語の文献(学術雑誌ではない)でよく見るようになった単語である。直訳すれば「厳格」「簡素」「緊縮経済」となるが、ニュアンス的には「厳格主義」「清貧主義」「我慢主義」とでもいったところだろうか。英国のCameron首相あたりがよく使っていて、思想的なバックボーンとしては経済学者で言えばHayekあたりだろう。 Milton Friedmanのような楽天的な自由主義とは若干異なっている。

Sunday, June 16, 2013

コンフェデ ブラジル戦(続きの続き)

しかしみなさん、今回の敗戦に関しては辛口ですね。試合は見てないけど、今回のブラジルは直前にフランスを同じ3ー0のスコアで破っている訳で、W杯まであと一年、問題点をいま炙り出せたという意味では、得るものは大きかったのではないでしょうか? だいたい相手がブラジル・イタリア・メキシコなんて、W杯でもあまり可能性のない厳しい予選グループで、客観的には1分2敗というのが妥当な予想ではないかと。

コンフェデ ブラジル戦(続き)

日本チームは今回、移動してすぐだったので、やはり数名はコンディション的に厳しかったような気がする(遠藤、長友、途中から本田も)。1点目はネイマールを褒めるしかないし、3点目は前掛かりで行っていた試合最後のカウンターだったので、まあ責めるのは酷かもしれない。だが2点目は川島がセーブできたのでは? まあザック自身が、コンフェデのあとは仕切り直しだと行っているので、しばらく様子を見ましょう。

コンフェデ ブラジル戦

不調だったはずなのに、いきなりネイマール。まあこれは相手を褒めるしかないかと...。

Monday, June 10, 2013

ルーニーが2度目の植毛 9時間の“大手術”と英紙

なぜそこまでの選手が、そこまで毛髪に拘るのか? というか、マンU出るのか出ないのか決める方が重要だろうが. まあ、結局残るんだと思いますが...